2009 Fiscal Year Annual Research Report
形態視と運動視の課題を用いた心理物理実験による知覚的大色差の定量化
Project/Area Number |
21860044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
永井 岳大 Toyohashi University of Technology, 工学部, 助教 (40549036)
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Keywords | 色覚 / テクスチャ分離 / 視覚心理物理学 |
Research Abstract |
本研究では、これまで主に色の見えという視点からのみ調べられてきた知覚的な「色差」、特に量的判断が難しい大色差の視覚系内表現を解明するため、心理物理学的手法を用い、色の見え以外の課題により知覚的色差特性を定量化することを目的とした。今年度は、色の近い視覚要素はまとまって知覚されるという視覚特性を活用し、色差を測定するための実験課題として、多色テクスチャ刺激におけるグルーピング課題を採用した。はじめに、グルーピング課題による色差測定可能性を検討するため、DKL反対色空間におけるL-M(赤-緑)軸とS(青-黄)軸の相対的色差を「グルーピング課題」と「色の見え課題」という2種類の課題で測定した。その結果、それら両課題のどちらにおいても知覚的な色差が定量に測定可能であり、またその測定精度も同程度であった。この結果から、色グルーピング課題は色差測定に有用である事が確認された。次に、脳内における色差表現をより詳しく調べるため、DKL反色空間における様々な色相条件で知覚的な色相差を両課題により定量化した。その実験から、知覚的色相差は課題により異なることが示された。この結果は、視覚系において、色の見えを表現する部位と色を用いて視覚要素をグルーピングし物体検出・同定に寄与する部位では色表現が異なるという新たな知見につながる。また、知覚的色差の推定精度は物理的色差の大きさに関わらずほぼ一定であり、視覚系における色差の量的表現は物理的色差が大きくなると急に劣化するわけではないことも示された。ただし、現段階では背景と刺激のコントラストの影響など、アーティファウトの影響が完全には除去できていないという問題もあるため、今後は刺激にコントラストノイズを加える等の工夫により、さらに精度よく知覚的色差測定を進める予定である。
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Research Products
(1 results)