2009 Fiscal Year Annual Research Report
街並みの景観における関係性のデザインとその評価システムに関する研究
Project/Area Number |
21860050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
守山 基樹 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (70534303)
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Keywords | 街並み / 京都 / 景観 / 関係性のデザイン / 類似と差異 / カブジェクト・システム / データベース / 記号論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、歴史都市・京都の街並み景観に焦点を結び、「関係性のデザイン」の視点(魅力的な環境を形成するためには、要素としての人工物だけでなく、人工物相互の関係や人工物と人間・環境との関係をデザインする必要がある)からみた景観のデザイン原理を明らかにし、その景観に潜む美的秩序を明らかにすることである。本年度は、洗練された京都の伝統的街並みの関係性のデザインの背後にある類似と差異のネットワークの仕組みについて、定性的・定量的な特徴を解明し、京都らしい景観の特性の一端を明らかにするため、次の研究を遂行した。(1)祇園・伏見南浜・嵯峨鳥居本・上賀茂などの洗練された伝統的街並みや、現代的な要素が伝統的な町家システムのなかに混在している都心部(修徳学区等)における街並み景観の現地調査を実施した。(2)現地調査によって得られた情報をもとに、街並み景観のファサード図面、街並みの配置図(平面図)を作成した。(3)Common Lisp言語に実装されたCLOS(Common Lisp Object System)、CAD・CGを活用して、景観シミュレーションや景観評価を可能にするオブジェクト・システムとしてのダイナミックなデータベースを構築した(画像データベースと知識ベースの統合を図った)。実際の街並みは、建築要素、都市景観に影響を及ぼす建物、広告物、電柱、電線、空調機器、道路・水路等の配置、街区構成、土地利用、地形・植生、背景となる自然景観等、多種多様な記号のネットワークとして現われており、位置関係、包摂関係(内・外)、機能関係、意味関係など、多様な関係性を記述することができる。(4)洗練された美しさをもつ京都の街並み景観において、定性的・定量的な特徴の解明を通じて、記号の共有構造がどのように実現されているかを明らかにした。
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