2009 Fiscal Year Annual Research Report
極大地震下における杭基礎の耐震性能評価に関する実証・解析研究
Project/Area Number |
21860056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柏 尚稔 Osaka University, 工学研究科, 助教 (40550132)
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Keywords | 杭の水平抵抗 / 静的実験 / 遠心載荷実験 / 振動実験 / 相互作用 / 非線形性 / 乾燥砂 / 有限要素解析 |
Research Abstract |
本研究は、杭-地盤系の強非線形性の詳細を大振幅水平載荷実験により把握し、実験をシミュレーション可能な3次元有限要素解析によるパラメトリックスタディにより群杭の水平地盤ばねの評価式を構築すると共に、設計に対する杭-地盤系の強非線形性の考慮方法を提案する事を目的としている。具体的には、I)杭-地盤系の非線形性が杭の水平抵抗に及ぼす影響の分析、II)極大地震時における上部構造-杭基礎-地盤系の地震時挙動の分析、III)杭-地盤系の強非線形性を考慮した場合の上部構造への実効入力動の解明の3つを軸としている。 本年度はI)及びIII)について実験結果の整理及び、3D-FEMによる解析的検討を行った。I)では静的な模型及び実大実験に対して汎用ソフトABAQUSによる解析によって、群杭の模型及び実大実験をシミュレーションできる解析モデルを構築し、群杭の杭頭水平地盤ばねの簡易評価手法を提案した。具体的には、現行の設計で用いられている一定値の群杭効率を単杭の非線形水平地盤ばね定数に乗じる簡略法によって、群杭の非線形水平地盤ばね定数を近似的に算出できることを提案した。ただし、杭-地盤系の非線形性の進展性状をより正確に考慮する必要がある場合には、杭-地盤系の非線形性を考慮した群杭の有限要素解析を用いて群杭の水平地盤ばね定数を算定することが望ましいことを明らかにした。III)では、遠心振動実験に対して汎用ソフトLS-DYNAによる解析を行い、杭及び地盤の非線形化か建物の振動特性に及ぼす影響を明らかにした。具体的には、杭の杭頭の塑性化を許すことによって、許さない場合よりも建物応答は小さくなるが、杭の塑性条件を考慮するかしないかに関わらず、地表面-杭基礎間の伝達関数におけるピーク周波数には変化が見られず、入力地震動の増大によるピーク周波数の低下は地盤の塑性化の影響が大きいことを明らかにした。
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