2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21860064
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
渡辺 峻 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (70546910)
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Keywords | 情報理論的暗号 / 量子暗号 / 情報理論 / セキュリテ |
Research Abstract |
本研究では二つの課題,<課題1>量子暗号における送受信機の偏光軸の最適な補正方法の解明,<課題2>秘匿通信のための現在広く使われている符号設計法の脆弱性の解明,を行うことになっていた.課題1と課題2ともに,平成21度の段階である程度進展があり,成果を論文誌に投稿した.そして,課題2に関する論文は本年度採録になり,課題1に関する論文も本年度条件付採録となった.しかしながら,両課題とも,完全解決するのは容易ではないことが明らかになってきたため,昨年度後半から,上記二つの課題の関連課題として,ガウス情報源からの秘密鍵共有における公開通信のレートと秘密鍵レートのトレードオフを解明するという課題に取り組み始めた.ガウス情報源からの秘密鍵共有は,近年非常に注目されているガウス変調を利用した連続信号の量子暗号と関連が深く,非常に重要な問題である. 昨年度の段階で,情報源がスカラーガウス情報源の場合は解決していたが,情報源がベクトル型の場合が未解決であった.本年度は情報源がベクトル型の場合に取り組み,上記トレードオフ関係を解明することに成功した.本成果の一部は国際会議で発表し,研究成果を全てまとめた論文は,学術雑誌への採録が決定している.
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