2009 Fiscal Year Annual Research Report
居住者の内発的な熱環境調整行動と快適性に関する研究
Project/Area Number |
21860067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岩松 俊哉 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 特任助教 (80553297)
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Keywords | 住まい方 / 環境調整行動 / 温熱快適性 / 実測 / 被駆者実験 |
Research Abstract |
本研究では、冷暖房機器を過度に使用しない居住者と、冷暖房機器に熱環境調整を依存している居住者について、居住域における熱環境の実測を行なうとともに、居住者の温熱感・快適感に関する申告調査により、それぞれについて、居住者の日常で曝露されている熱環境と温熱感覚との対応関係や、内発的な熱環境調整行動によって、どれほど温熱快適感を得られているかを明らかにすることが目的である。 本年度は、特に冬季において、大学生10名を被験者として、日常の住まい方に関して質問紙による事前調査を行なうとともに、自宅で最も長く過ごす室において熱物理量(空気温湿度・グローブ温度)の実測と、在室時における着衣量・活動量の調査を行なった。その結果、被験者が実測対象室に居る時間帯における室内空気温度の平均値は、13~26℃の範囲であり、平均値の比較では最大で10℃以上の差が見られた。在室時間帯における室内空気温度が低めの被験者が居たが、暖房を使わずに着衣量を大きくすることにより寒さを凌いでいる場合や、暖房の設定温度を高めにしているものの、室内空気温度が設定温度よりもかなり低めになる場合も見られ、建築躯体の断熱性が低い住宅で渦ごしているために、暖房機器の設定温度を高くせざるを得ない状況であることが明らかとなった。外気温度の高低によらず、事前調査で「寒がり」と申告した被験者は、在室時の室内空気温度が20℃を越えていることが多く見られて、比較的高温の室内熱環境に曝露されていることが明らかとなった。当該の被験者には、前述の熱物理量の実測のほかに人工気候室において温熱感の申告調査を行なった。実験室の目標空気温度を実験開始時に22℃として、15分ごとに1℃低下させる実験を行なったところ、事前調査で「寒がり」だと申告していた被験者は、実験開始10分後には「やや寒い」と申告しており、居住域における日常の温熱環境と温熱感覚に対応関係があることが示唆された。
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Research Products
(1 results)