2010 Fiscal Year Annual Research Report
非線形粘弾性要素に支持されたヘリングボーン動圧気体軸受の超高速安定性に関する研究
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21860076
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮永 宜典 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (00547060)
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Keywords | ヘリングボーン軸受 / 非線形粘弾性 / 安定性 / 自励振動 / 超高速回転 |
Research Abstract |
本年度は,1)軸受系の振動周波数および温度が軸受支持0リングの弾性係数および減衰係数の非線形特性に及ぼす影響を明らかにし,これらがヘリングボーン動圧気体軸受の安定性に及ぼす影響を明らかにする,2)軸受支持部の粘弾性物性値およびそれらの非線形特性を最適化する,ことを目的とし,ヘリングボーン動圧気体軸受の超高速安定性の向上を目指した. まず,293~333K,0.5~8.OkHzの範囲において0軸受支持0リングの弾性係数と減衰係数を測定した.その後,これらの結果をもとに,弾性係数と減衰係数の定式化を試みた.また,この数理モデルを軸受支持部に適用し,粘弾性支持されたヘリングボーン動圧気体軸受の安定運転限界特性に及ぼす雰囲気温度の影響について理論的に明らかにした.また,軸受試験についても温度制御することで,解析結果の妥当性について検証した.その結果,以下の結果が得られた. (1)温度上昇に伴い,弾性係数と減衰係数の値及びそれらの非線形性は低下する。 (2)弾性係数と減衰係数の低下は,軸受系の安定限界速度を低下させる. (3)軸と軸受の熱膨張を利用し,軸受すきまを制御することで0温度上昇による安定限界速度の低下を防ぐことができる 次に,数理モデルにおける粘弾性物性値および非線形係数を能動的に変化させ,軸受系の安定限界速度を最大化するような最適支持条件をパラメトリックスタディによって検討した.その結果,以下の結果が得られた. (4)軸受系の安定性を高めるという観点において,弾性係数および減衰係数の値およびそれらの非線形性には最適値が存在した. (5)最適条件を実現することによって,0リング支持に比べて安定限界速度を1.5倍程度に向上させることができる.
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Research Products
(7 results)