2009 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド連続繊維緊張材および埋め込み緊張補強技術の開発
Project/Area Number |
21860079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
岩下 健太郎 Meijo University, 理工学部・建設システム工学科, 助教 (30544738)
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Keywords | 複合材料・物性 / 構造・機能材料 / 長寿命化 / 防災 |
Research Abstract |
近年の既存インフラ施設の老朽化や地震防災に関する認識の高まりに伴い,維持・修繕および補強・改造に伴う負担が急激に増加してきている。本研究では,炭素繊維をはじめとする連続繊維よりなる緊張材をコンクリート構造物の表面に掘った深さ数センチの溝に埋め込むことにより,死荷重に対する大きな補強効果にも期待できる埋め込み緊張補強技術の構築を目的としている.平成21年度は,まず,低価格の玄武岩(バサルト)繊維複合材(BFRP)や従来の炭素繊維複合材(CFRP)の静的な引張特性を検討したうえで,これらを緊張補強材として用いた場合の補強効果を実験的に検討し,埋め込み緊張補強により飛躍的に大きな補強効果が得られることや,導入緊張力の増減により補強効果や想定される破壊モードをある程度制御できること,埋め込み材および埋め込み材の剥離を防止するための定着材料に適した材料を用いることで緊張補強材の付着強さが向上することなどの研究成果が得られている.また,低価格だが引張弾性率がやや低いBFRPに低価格のピアノ線を埋め込むことにより引張弾性率が高度化され,さらに大きな補強効果が得られる可能性が明確に示された.さらに,埋め込むピアノ線の増減により引張弾性率をうまく制御できることも示唆された。以上の検討により,低価格で高性能な緊張補強材の開発および開発技術の構築を着実に進めるとともに,緊張工程の確立や軽量で取り扱いが簡便な緊張装置の開発を進め,開発技術の実用化の促進を図った.
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