2009 Fiscal Year Annual Research Report
表層型メタンハイドレート賦存地盤の工学的評価に関する研究
Project/Area Number |
21860083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
片岡 沙都紀 Hakodate National College of Technology, 環境都市工学科, 助教 (50552080)
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Keywords | 地盤工学 / メタンハイドレート / 残留強度 |
Research Abstract |
日本近海の海底下に存在するメタンハイドレートは,その存在深度によって周辺環境に与える影響が異なり,海底下数mの表層に位置する場合だと地震活動などが原因でメタンハイドレートが解離してメタンガスが海中や大気中へ放出し,その結果地球温暖化を助長することが懸念されることから,海底下に存在するメタンハイドレートが地球環境変動に高い影響を与えることが考えられる.本研究では,表層型メタンハイドレートが存在する周辺堆積土の土質特性や地盤強度を検討するために日本海東縁域やオホーツク海などの海底下表層に存在するメタンハイドレート賦存地盤に着目し,本領域で採取された海底堆積土を用いてメタンハイドレートの存在有無による堆積土強度や土質特性の違いについて調べている.このうち,平成21年度の研究ではオホーツク海の海底堆積土を用いて物理・化学的性質を調べた上で堆積土の残留強度を測定し,メタンハイドレートの有無や他地域から採取した堆積土との比較を行った. その結果,堆積土の粒径や土粒子密度,強熱減量などの物性値にはメタンハイドレートの有無による明確な差は見られなかった.しかし,堆積土の残留強度を測定したところメタンハイドレートを有していた堆積土で若干ではあるが同深度より採取したメタンハイドレートを有していない堆積土に比べて低くなることを確認した.これにより,メタンハイドレートを有していた堆積土は試料採取時に間隙水中に多く存在する溶存ガスが気化することによって堆積土内部が撹乱を受けたため,残留強度が低下したものと推測される.
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Research Products
(1 results)