2010 Fiscal Year Annual Research Report
建築と設備の相互作用を考慮した動的計画法による空調システムの運転最適化
Project/Area Number |
21860092
|
Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
宮田 征門 独立行政法人建築研究所, 環境研究グルー, 研究員 (40554986)
|
Keywords | 建築環境・設備 / エネルギー効率化 / 二酸化炭素排出削減 / 省エネルギー / 環境技術 / 空調システム / 運転最適化 |
Research Abstract |
多大なエネルギーを消費する空調システムの省エネルギーを達成するためには,運用段階においてシステムの運転設定値を最適化することが重要である.既往研究による最適化は,建物や空調二次側システムの応答を考慮していない部分最適化である場合が多く,システム全体でみると最適ではない可能性がある.また,厳密には動的最適化問題であるにも関わらず,静的な問題として解いている.そこで,本研究では,建物とのインタラクションを考慮した運転最適化手法の開発を目的として,まずは建物と設備システムとの相互作用が解けるシステムシミュレーションを開発する.次に,システムシミュレーションを用いて一次側のみを対象とした従来の最適化と二次側まで含めた動的最適化で最適解やエネルギー消費量,室内温熱環境にどの程度の違いが生じるかを明らかにする. 本年度は,昨年度開発した建物と設備の相互作用を解くことができるシステムシミュレーションを利用して,種々の熱源システムを対象に,1)最適化なし,2)冷却塔システムのみ最適化,3)一次側システムのみ最適化,4)二次側システムまで含めてシステム全体で最適化の4ケースについて,その省エネルギー効果を検証した.空調一次側システムのみを対象とした従来の最適化と二次側システムまで含めた動的最適化にどの程度の差があるのかを比較検討した結果,本手法による動的最適化により,従来の最適化手法に比べて更に約3~13%エネルギー消費量を削減できることが判った.
|
Research Products
(2 results)