2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイオインフォマティクスの手法を用いたクロロフィル代謝経路の確立
Project/Area Number |
21870003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高林 厚史 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (90546417)
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Keywords | クロロフィル代謝 / バイオインフォマティクス / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
7-hydroxymethyl chlorophyll a reductase(HMCR)を選抜するため、バイオインフォマティクスの手法を用いた解析、すなわら共発現解析と系統ブロファイル解析を組み合わせた解析を行い、16の候補遺伝子を選抜した。具体的には、既知のクロロフィル分解経路の遺伝子群と発現プロファイルが類似するシロイヌナズナ遺伝子群のうち、クロロフィルbを持つ光合成生物のゲノムにホモログ遺伝子が存在し、クロロフィルbを持たない光合成生物のゲノムにホモログ遺伝子が存在しないような遺伝子群を16個選抜した。それら遺伝子群の大多数は葉緑体局在の機能未知遺伝子であり、アミノ酸配列情報からはRieske鉄硫黄ドメインやF1avinドメイン、TPRドメイン等を有していることが明らかとなった。これらの機能ドメインがHMCR活性に関与する可能性は十分に考えられる。 現在、それら候補遺伝子のうちT-DNA挿入変異株ラインが存在する14遺伝子について、変異株の種子を取り寄せ、ホモライン(ノックアウトライン)の確立を進めている。10遺伝子については既に選抜を終え、残りの4遺伝子については現在選抜中である。今後、ホモラインの確立が終わりしだい、HMCR活性の有無を解析し、選抜した遺伝子群の中にHMCRが含まれているかどうかを検証する。 また、上記のアプローチで目的遺伝子が同定できない可能性も考慮し、現在、既知のクロロフィル代謝関連酵素と相互作用するタンパク質の網羅的な選抜の準備を進めている。
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