2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンリガーゼβ-TrCPの生殖細胞系譜における恒常性維持機構の解明
Project/Area Number |
21870006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中野 星児 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助手 (00529448)
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Keywords | 雄生殖細胞 / ユビキチンリガーゼ / ノックアウトマウス / タンパク質分解 / 不妊 / 幹細胞 |
Research Abstract |
タンパク質分解機構の中でも、ユビキチン-プロテアソーム系は基質特異的にタンパク質を分解する。この基質特異性を決定しているのはユビキチンリガーゼである。ユビキチンリガーゼの中でも特にβ-TrCPに着目した。β-TrCPにはβ-TrCP1とβ-TrCP2の二つの相同分子の存在が知られており、アミノ酸や結晶構造は相同的で、両者は類似した機能を有していると考えられている。しかし、β-TrCP1ノックアウト(KO)マウスは正常に発生するのに対し、β-TrCP2 KOマウスは胎生致死となる。このことは2つの相同分子が機能的に異なることを意味している。既に作製されたβ-TrCP KOマウスは不妊傾向を示すことから、β-TrCPは雄性生殖細胞系譜の発生・分化において重要な機能を果たすことが示唆されているが、その詳細は明らかにされていない。 雄性生殖細胞系譜におけるユビキチンリガーゼβ-TrCPの機能解析を行うため、β-TrCP2コンディショナルKO(CKO)マウスならびにβ-TrCP1 KO・β-TrCP2 CKOマウスと3種類の生殖細胞特異的かつ発生時期特異的なCre-recombinase発現マウスとを交配し、解析個体を得ることを目指した。β-TrCP2 CKOマウスならびにβ-TrCP1 KO・β-TrCP2 CKOマウスの作製に成功し、十分なマウス個体を得ているが、雄性生殖細胞系譜でβ-TrCPを欠失したマウス個体は未だ得ることができていない。 また、精子幹細胞能を試験管内で評価するためにはGerm Stem(GS)細胞を樹立する必要がある。しかし、129系統では樹立が難しいため、GS細胞の樹立が報告されているDBA/2マウスとの交配を行い、GS細胞作製用の個体を得、GS細胞樹立に着手している。
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Research Products
(4 results)