2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞極性形成におけるFilGAPのリン酸化による活性制御機構の解析
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21870031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中澤 友紀 Kitasato University, 理学部, 助教 (50508851)
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Keywords | 細胞極性 / シグナル伝達 / リン酸化 |
Research Abstract |
1 FilGAP活性抑制制御機構の解析 以前の探索の結果、非リン酸化型FilGAP変異体(以後ST/A)に結合して細胞骨格と共局在させ、FilGAPの活性を抑制する可能性を持つ因子として、G3BP1が単離された。このG3BP1はST/Aと特異的に結合し、細胞骨格に沿ってST/Aと共局在するとわかった。そこでG3BP1がFilGAPの活性に及ぼす影響を、野生型FilGAP発現細胞内でのRac-GTP(活性化型Rac)のレベルを定量することで調べた結果.G3BP1の発現抑制を行った場合と無処理でRac-GTPレベルに有意な差はみられなかった。従ってG3BP1は非リン酸化型FilGAPと特異的に結合するが、FilGAPの活性制御には関与しないと考えられる。そこで他の活性制御因子の同定のため、ST/A結合因子の新たなスクリーニング法を検討した。従来用いていた培養細胞からのタンパク質抽出法は分子間の結合を保つマイルドなもので、その場合、沈降してくるST/A変異体は少なく、結合因子と共に細胞骨格からの抽出が不十分である可能性があった。そこでまず細胞質成分を除去し、残った細胞骨格成分のみを免疫沈降に用いることとし、タンバク質の抽出にはSDSなど三種の界面活性剤を含むbufferを用い、更にsonicationで沈殿を破砕した。これらの変更後免疫沈降を行った結果、電気泳動後の銀染色で、ST/AはST/D(擬似リン酸化型)と比べ十分な量沈降され、またST/Aとのみ共沈降する複数のバンドが確認できた。現在質量分析によりこれらのバンドの同定を試みている。 2 活性化型FilGAP機能の解析 FilGAPの活性化に重要なリン酸化部位S402に特異的な抗-リン酸化抗体が得られており、追加免疫を行った結果、内在性FilGAPを認識できるレベルの特異性を持った血清を得る事に成功した。
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