2009 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌と枯草菌で見つかった新規2成分K^+/H^+アンチポーターの作用機序の解明
Project/Area Number |
21870035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
藤澤 誠 Toyo University, 生命科学部, 助教 (70549641)
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Keywords | カリウムイオン / アンチポーター / 大腸菌 / 枯草菌 / 分子生物学 |
Research Abstract |
カリウムイオン(K^+)などの無機イオンはDNAやタンパク質の構造に影響を与える重要な要素であり、それらのイオンを細胞内外に輸送し、細胞内のイオン濃度を調節することは生命活動の維持に重要である。生物は1次能動輸送体、2次能動輸送体、受動輸送体という3種類の輸送体を駆使して、細胞内のイオン濃度を調節している。2次能動輸送体は、機能や構造がより単純な受動輸送体から進化したものであると考えられているが、それらの中間的な性質を示すイオン輸送体は見つかってこなかった。しかし、2007年に申請者らは大腸菌と枯草菌で2次能動輸送体であるK^+/H^+アンチポーターと受動輸送体であるK^+チャネルの中間的な性質を示すタンパク質を世界で初めて発見した。これらの酵素は、膜タンパク質成分と親水性タンパク質成分からなり、膜タンパク質成分のみでK^+チャネル(受動輸送体)として機能し、膜タンパク質成分と親水性タンパク質成分の両方でK^+/H^+アンチポーター(2次能動輸送体)として機能することが推定されている。本研究では、これらの酵素の分子レベルでの作用機序の解明を目指し、2つのタンパク質成分の相互作用の検出系の確立と、その検出系を用いた相互作用に関わるアミノ酸残基の同定を目的とした。 平成21年度は大腸菌および枯草菌の2成分K^+/H^+アンチポーターのそれぞれにおいて、2つのタンパク質成分の一方、もしくは両方にペプチドタグを付与した遺伝子のクローニングに成功した。 平成22年度には、膜タンパク質成分に付与したヒスチジンタグを利用してプルダウンアッセイを行い、親水性タンパク質との相互作用の検出系を確立する。その後、相互作用に関与するアミノ酸残基を部位特異的変異の導入によって同定する。
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