2009 Fiscal Year Annual Research Report
細菌べん毛モーターのトルク発生部位ラベリングによる動態解析
Project/Area Number |
21870036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
曽和 義幸 Hosei University, 生命科学部, 講師 (10519440)
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Keywords | 生体ナノマシン / 細菌べん毛モーター / 1分子計測 / 蛍光観察 |
Research Abstract |
バクテリアべん毛モーターは,運動器官であるフィラメントを回転させる回転子とイオンチャネルとして機能する固定子から構成される超分子回転ナノマシンである.モーター本体はバクテリアの細胞膜に埋まっており,共役イオンが固定子の中を流れる際に得られるエネルギーを変換することで回転トルクを発生する.モーターの回転は,細胞外構造物体であるフィラメントなどにマーカーを結合させて1分子計測技術により精緻に解析され,その力学特性が明らかになりつつある. 本研究では,細胞外構造物を介した間接的な計測方法ではなく,モーター本体に直接的にラベリングし,その回転を検出する手法の開発を目的としている.細胞外構造物はタンパク質が重合したものであるので,構造自体の弾性が回転計測の結果に影響を与えていることが否定できない.直接的なラベリングでは,その懸念は大きく減少させることができ,ナノマシンの回転メカニズム解明に大きく近づくことが期待できる. 本年度は,以下の2点について研究を行った. 1.細胞内ラベリング手法の開発 通常,細胞内で分子をラベリングする際は,GFP(緑色蛍光タンパク質)が多く用いられる.すでにGFPと融合させたモータータンパク質が機能を保持していることが知られている.この系と並行して,より安定なRhodamineなどの蛍光色素で染色するために,Halo-tagやテトラシステインタグのモーターへの導入を試みている. 2.蛍光1分子の動きを観察する顕微鏡の開発 1分子レベルの蛍光色素の動きを観察するために,対物レンズ型全反射照明システムの蛍光顕微鏡への導入を現在行っている.また,微細な動きを安定に計測するためのステージシステムは導入が完了した.
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Research Products
(6 results)