2010 Fiscal Year Annual Research Report
細菌べん毛モーターのトルク発生部位ラベリングによる動態解析
Project/Area Number |
21870036
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
曽和 義幸 法政大学, 生命科学部, 講師 (10519440)
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Keywords | 細菌べん毛モーター / 1分子計測 / 生体ナノマシン |
Research Abstract |
バクテリアべん毛モーターは,運動器官であるフィラメントを回転させる超分子回転ナノマシンである.回転トルクを発生するモーター本体は細胞膜に埋まっており,従来の研究では,細胞外構造物であるフィラメントやフックにマーカーを付けるなどして,モーター回転の観察がおこなわれてきた. 本研究では,細胞外構造物を介した間接的な計測方法ではなく,モーター本体に直接的にラベリングし,その回転を蛍光観察によって検出する手法の開発を目的としている. 本年度は,以下の2点について研究を行った. 1.細胞内ラベリング手法の開発・評価 べん毛モーターの細胞質側を構成するタンパク質を蛍光ラベルする手法の開発をおこなった,特に,蛍光タンパク質(GFPなど)よりも安定に蛍光を発するRhodamineなどの蛍光色素を用いて染色する系の構築を目指した-本研究では,Halo-tagとモータータンパク質の融合体を構築し,この融合タンパク質が大腸菌内においてトルク発生機能を保持していることを確認した.また,細胞外からRhodamineリガンドを導入して,Halo-tagを介してモータータンパク質が蛍光標識されることを確認した.モーター回転計測と蛍光観察を実現できたのだが,光照射による細胞へのダメージが大きいため,蛍光観察可能な時間が非常に短いことが課題であることも明らかとなった. 2.蛍光1分子の動きを観察する顕微鏡の開発 蛍光分子の動きを追跡する顕微鏡の構築を昨年度に引き続いておこなった.特にレーザー照明による干渉模様を,ミラーを回転駆動することで解消する手法を導入し,その効果を確認することができた.
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