2009 Fiscal Year Annual Research Report
セントロメア領域に特異的なヌクレオソームの結晶構造解析
Project/Area Number |
21870038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
立和名 博昭 Waseda University, 理工学術院, 助手 (70546382)
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Keywords | ゲノム機能 / ゲノム構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、セントロメア領域に特異的なヌクレオソームの構造解析である。真核生物のゲノムDNAは、S期で複製され、M期で二つの娘細胞に均等に分配される。このM期での均等分配に重要な役割を果たしているのがセントロメア領域である。両極から伸びてきた紡錘糸が結合するキネトコア領域が、セントロメア領域を土台として、その外側に形成される。セントロメア領域の特徴として、ヒストンH3バリアントCENP-Aを含むヌクレオソームが局在している。ノックアウトマウスの解析から、CENP-Aはセントロメア領域の形成に必須の因子であることが明らかとなっているが、セントロメア領域の確立において、どのように役割を果たしているのかは明らかとなっていない。そこで、本研究では、立体構造からCENP-Aの機能を解析することを目的に、CENP-Aを含むヌクレオソームのX線結晶構造解析を行った。 研究方法として、CENP-Aを含むヌクレオソームを試験管内において再構成した。そのために、CENP-Aヌクレオソームの構成因子であるヒストンH2A、H2B、CENP-A、H4および147塩基対のDNAを調製した。各ヒストンタンパク質は、大腸菌を用いてリコンビナントタンパク質として発現・精製した。また、結晶化に用いたDNAは、プラスミド上に24個タンデムに繋ぎ、そのプラスミドを大量調整し、そこから制限酵素を用いて切り出し、精製した。 これらのヒストンおよびDNAを用いて、CENP-Aを含むヌクレオソームを再構成し、ハンギングドロップ蒸気拡散法により結晶化を行った。 その結果、単結晶を得ることに成功した。得られた結晶にX線を照射し、回折波のデータを収集した。現在、回折波のデータから構造を決定しているところである。
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