2009 Fiscal Year Annual Research Report
IP3シグナル制御タンパク質IRBITファミリーによるリン脂質代謝制御機構の解明
Project/Area Number |
21870049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
安東 英明 The Institute of Physical and Chemical Research, 発生神経生物研究チーム, 客員研究員 (50373262)
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Keywords | PIP2 / IRBIT / PIP kinase / IP3受容体 |
Research Abstract |
細胞内カルシウムチャネルIP_3受容体を制御するタンパク質IRBITは、PIP_2の合成酵素であるPIP kinaseと結合することをこれまでに見いだしている。PIP_2は、IP_3の前駆体であると同時に、アクチン細胞骨格、内膜輸送などを制御する重要なシグナル分子である。PIP kinaseには、I型とII型があり、それぞれα,β,γの3種類のisoformが存在する。IRBITとこれらisoformとの結合特異性を解析した結果、過剰発現の系ではIRBITはいずれのisoformとも結合したものの、マウス脳を用いた免疫沈降法では、IRBITはPIP kinase I型αに特異的に結合した。以上の結果より、IRBITはマウス脳内では少なくともPIP kinase Iαに結合することが明らかになった。また、欠失変異体を用いた解析により、PIP kinase Iαの中心部にある保存されたkinase core domainが結合に重要であることが明らかになった。さらに、IRBITがPIP kinaseのPIP_2合成活性を制御する可能性を解析したところ、COS-7細胞での過剰発現の系、および精製リコンビナントタンパク質を用いた系のいずれにおいてもIRBITはPIP kinase Iα活性を阻害した。以上の結果より、IRBITはPIP kinase Iα活性を抑制することにより、PIP_2産生を抑える機能を持つ可能性が示唆された。
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