2010 Fiscal Year Annual Research Report
IP3シグナル制御タンパク質IRBITファミリーによるリン脂質代謝制御機構の解明
Project/Area Number |
21870049
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
安東 英明 独立行政法人理化学研究所, 発生神経生物研究チーム, 客員研究員 (50373262)
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Keywords | IRBIT / PIP2 / PIP kinase |
Research Abstract |
細胞内カルシウムチャネルIP_3受容体の結合分子として同定されたタンパク質IRBITと、PIP_2の合成酵素であるPIP kinaseとの相互作用および機能制御を解析した。精製リコンビナントタンパク質を用いたin vitroでのリン脂質リン酸化実験により、IRBITがPIP kinase I型αの酵素活性を抑制することを見いだした。また、欠失変異体および部位特異的変異体を用いた結合領域解析により、IRBITのN末端領域のSerに富む配列、およびC末端の約30アミノ酸がPIP kinase I型αとの結合に必須であることが明らかになった。さらに、IRBITのリン酸化部位が結合に必須であることが明らかになった。一方、部位特異的変異体を用いた解析により、PIP kinase I型αの酵素活性中心にあるアミノ酸、および細胞膜局在に関与するアミノ酸が、IRBITとの結合に関与していることが明らかとなった。またこれらのアミノ酸の変異により、PIP kinase I型αの細胞内局在にも影響が見られた。これらの結果より、IRBITは、リン酸化依存的に、PIP kinase I型αの活性中心、あるいはその近傍に結合することにより、PIP kinase I型αの活性を抑制する可能性が示唆された。 一方、IRBITの相同タンパク質であるLong-IRBITは、PIP kinase I型αとの結合活性が弱いことが明らかになった。欠失変異体を用いた解析により、Long-IRBIT特異的なN末端のLISN domainが結合を抑制していることが明らかになった。 以上の結果より、IRBITは、PIP_2-IP_3-カルシウム情報伝達を多角的に制御している可能性が推測される。
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Research Products
(2 results)