2010 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母RabカスケードにおけるRab活性変化の視覚化
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21870050
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
墨谷 暢子 独立行政法人理化学研究所, 中野生体膜研究室, 特別研究員 (80534601)
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Keywords | 出芽酵母 / 小胞輸送 / Rab GTPase / FRETプローブ |
Research Abstract |
小胞体とゴルジ体を経由した分泌小胞の輸送過程におけるRab GTPaseの活性変化を可視化するために、小胞体からゴルジ体への輸送に関与するYptlp、ゴルジ体からの分泌小胞の出芽に関与するYpt31/32p、分泌小胞の細胞膜への輸送に関与するSec4pの1分子型FRETプローブの作製を行った。今年度は主にSec4pプローブを用いた解析を行った。Sec4pは出芽酵母の細胞周期のうち、成長する芽の先端と細胞質分裂時の分裂面に局在する。成長する芽の先端に着目して詳細に解析すると、Sec4pの活性は芽の先端の中でもより細胞表層付近で高まることがわかった。細胞質分裂時にはSec4pは母細胞と娘細胞に1つずつ存在するセプチンリングの間に現れる。Sec4pが細胞質分裂面に現れると出芽酵母における収縮環であるアクトミオシンリングの収縮が始まった。Sec4pの活性はアクトミオシンリング付近でもっとも高まった。アクトミオシンリングが収縮にともなって消失する直前にセプチンリング付近でSec4pの活性が上昇した。このときSec4pの量はアクトミオシンリング付近のほうが多く、Sec4pの活性と存在量には相関関係はみられなかった。Sec4pの分裂隔壁における局在が乱れる細胞質分裂の変異体においても、Sec4p活性のパターンは変わらなかった。出芽酵母の細胞質分裂においてSec4pの活性は局在とは別に厳密に制御されていることが示唆された。Ypt31/32pのエフェクターであるSec2pはSec4pの活性化因子である。Sec4pとYpt31/32pとの局在を比較したところ、Ypt31/32pとSec4pの局在が重なったときにSec4pの活性が特に高まった。
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