2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規腎疾患診断法の開発-Urinary Molecular Profiling-
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21880002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市居 修 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 助教 (60547769)
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Keywords | バイオマーカー / 尿 / 慢性腎臓病(CKD) / 疾患モデルマウス / Interleukin 1 family member 6 / mRNA・microRNA / PCRarray・microarray / 管腔上皮脱落(LED) |
Research Abstract |
【研究の目的】腎疾患モデル動物の尿中脱落細胞成分をターゲットとし、バイオマーカーmRNA/microRNAを開発する。 【研究実施計画】慢性腎臓病(CKD)の原因疾患は慢性糸球体腎炎(CKD)および糖尿病性腎症が大部分を占める。本研究では、CGNモデルマウス(B6.MRLc1系統)の尿・腎臓を採取し、mRNAおよびmiRANをターゲットとしてArray解析を行う。発現変化を示す因子の腎臓および尿中発現動態を解析後、他の疾患モデル動物でも検証し、医学・獣医学臨床応用を目指す。 【今年度の研究実績】B6.MRLc1の腎臓で高発現するmRNAをPCRarray法で解析し、バイオマーカー候補を選抜した。B6.MRLc1では、Interleukin 1 family member 6(IL-1F6)のmRNA発現レベルが健常マウスに比べて顕著に増加していた。B6.MRLc1の腎臓内IL-1F6のmRNAおよび蛋白発現動態は、尿細管間質病変の進行と正の相関関係にあり、それは他の疾患モデルマウス(ループス腎炎、糖尿病)でも同様であった。IL-1F6は遠位曲尿細管-集合管上皮細胞の細胞質に局在し、特に管の拡張および単核細胞浸潤を有する領域で発現が強かった。マウス集合管上皮細胞であるM-1細胞をコラーゲンゲル上で三次元培養し、脾臓細胞で刺激したところ、IL-1F6のmRNA発現は増加し、さらに、H-1細胞において間葉系細胞マーカーの発現上昇および上皮系細胞マーカーの発現減少が認められた。興味深いことに、上記モデルマウスの尿においてIL-1F6mRNAは病態早期から検出可能であった。以上の結果より、IL-1F6は尿細管間質病変に伴う管腔上皮脱落(Luminal Epitherial Deciduation : LED)を検出する早期バイオマーカーになりうると考えられた。
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