2009 Fiscal Year Annual Research Report
ネオクリンの味覚修飾機能の分子機構解明のための構造生物学的・タンパク質工学的解析
Project/Area Number |
21880015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 健一朗 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特任助教 (70554492)
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Keywords | 味覚修飾活性 / 甘味タンパク質 / pH依存性 |
Research Abstract |
ネオクリンは、そのもの自身が甘いうえ、酸味を甘味に変換する味覚修飾活性を持つヘテロ2量体タンパク質である。例えば、ネオクリンを味わった後にレモンを味わうとオレンジのように甘く感じられるようになる。これまでに、申請者らはネオクリンの立体構造解析とその変異体の構造機能相関の解析を行ってきた。その結果、ネオクリンは、活性型と不活性型の2つの構造の平衡状態にあり、酸性pHではこの平衡が活性型優位に傾き強い甘味を呈することが明らかになった。また、ネオクリンに存在する5つのヒスチジン残基を全てアラニン残基に置換したバリアントはpHに関わらず活性を示すことから、ヒスチジン残基がこの活性変化に重要であることを示した。 そこで、本研究では、5つのうち特に活性に重要なヒスチジン残基を特定するため、サブユニットごと/個々の残基ごとにヒスチジンをアラニンに置換したネオクリンバリアントを大腸菌発現系により生産し、その活性を評価した。また、味覚修飾活性が生じる際にネオクリンがどのように構造変化するのかを明らかにするため、野生型ネオクリンとバリアントの立体構造をX線結晶構造解析やX線溶液散乱法により解析することを試みた。官能試験および甘味受容体を発現させた培養細胞を用いた活性測定を行った結果、一方のサブユニットの1ヶ所のヒスチジン残基がpHセンサーとして機能しており、味覚修飾活性に特に重要であることが明らかになった。現在、野生型ネオクリンと活性の変化したバリアントについて結晶化を行っている。また、溶液中でのネオクリンとバリアントの構造を明らかにするため、大まかな分子の形状を知ることの出来るX線溶液散乱解析を試みた結果、酸性条件および中性条件でネオクリンの散乱曲線を得ることができた。今後、両者を比較すると共にバリアントについても測定を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 味覚修飾タンパク質ネオクリンとそのバリアントの培養細胞を用いた活性評価2010
Author(s)
中島健一朗, 横山可那子, 清水(井深)章子, 小泉太一, 古泉文子, 朝倉富子, 村清司, 徳江千代子, 荒井綜一, 三坂巧, 阿部啓子
Organizer
日本農芸化学会
Place of Presentation
東京(東京大学)
Year and Date
2010-03-28
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