2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物研究におけるリアルタイムRIイメージング装置の開発
Project/Area Number |
21880018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山脇 正人 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特任助教 (30526471)
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Keywords | 農業環境工学 / 放射線計測 / 植物 / ラジオアイソトープ / イメージング / イオン動態 / シンチレータ |
Research Abstract |
現在の農業現場では水や養分元素の供給に関する科学的な知見が乏しく、過剰な施肥が行われることがある。このため、環境中に肥料が流出し、近年では環境問題にも発展してきている。そこで最適な養分供給を検討することにより農業における生産性の向上、延いては環境保全を考えていくために、本研究課題では植物が養分を根から吸収しどの様に伝達するかを観察する、放射線同位元素を用いたイメージング装置の開発を行っている。 本システムではβ線をシンチレータにより可視光に変換することにより高感度・高解像度を達成できた。しかし、非常に微弱なシンチレーション光を検出する為、これまでのシステムでは測定中は完全に暗い状態での撮影に限られていた。そこで今回植物に光を照射した状態で観察出来るシステムを開発し、また、タイマーで制御することにより日周サイクルなども再現することが出来るようになった。まず、β線を検出するシンチレータはLED光を透過してしまう為、この光を完全に遮断する必要があった。そこでシンチレータ前面をアルミニウム板で覆うことにより、光を遮断し、且つβ線は透過させることを検討した。そしてその最適な遮光アルミニウム厚を検討し、その結果50μm厚程度のアルミニウムを用いることにより、鮮明で安定した解析可能な結果を得ることが可能となった。この成果はJournal of Radioanalytical and Nuclear Chemistryに掲載され、また、サイエンスチャンネル(CS放送)でも放送され紹介された。 また、これまでβ線放出核種を用いたイメージングを行ってきたが、X線のエネルギーとシンチレータ厚に対する検出感度や解像度を計算及びシミュレーションにより評価し、近年有害物質として非常に注目されているカドミウムの同位元素^<109>Cdの良好なイメージングに成功した。この成果はRADAIISOTOPES誌に掲載された。
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