2009 Fiscal Year Annual Research Report
モデル植物を用いたアブラナ科自家不和合性の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
21880022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
諏訪部 圭太 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (50451612)
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Keywords | アブラナ科 / 自家不和合性 / 花粉-柱頭認識反応 / シロイヌナズナ / モデル植物 / 遺伝地図 / 花粉因子 / 柱頭因子 |
Research Abstract |
自家不和合性を有するシロイヌナズナ近縁種Arabidopsis halleriより、シロイヌナズナと同じ自家不和合性遺伝子型を有する系統を選抜し、自家不和合性雄性認識因子SP11について単離・塩基配列比較を行った。その結果、コード領域における相同性は99.6%と非常に高く、両種間で相同なSP11を有することを明らかにした。シロイヌナズナSP11においては第2エキソン内にタンパク質翻訳を妨げる逆位が推定されているが、A.halleriにおいては翻訳を妨げるような変異は存在しなかった。次に遺伝子発現領域(プロモーター)について比較するために、シロイヌナズナの塩基配列情報を基に設計した数種プライマーを用いてPCRを行った。シロイヌナズナにおいては推定通りのDNA断片が増幅されるものの、A.halleriからはSP11プロモーターの増幅は見られなかった。これは両種のSP11プロモーターの塩基配列は大きく異なっていることを示唆している。以上より、両種間のSP11には、第2エキソンの逆位の有無とプロモーター配列に違いがあり、これらが自家不和合性機構の維持あるいは崩壊の原因の1つであると考えられた。そこで、正常に機能するSP11とそのプロモーターを獲得するために、A.halleriよりゲノムライブラリーを作成しスクリーニングを行った。数種のゲノムクローンを獲得し、これらクローンの塩基配列を解読中である。 現在までに同定されているアブラナ科自家不和合性関連因子(SP11・SRK・MLPK・ARC1・THL)のゲノム上の存在位置を遺伝学的に同定した。近縁アブラナ属植物種との将来的なクロストークを見据え、研究の先行するアブラナ属モデル種Brassica rapaの国際共通遺伝地図へのマッピングにより、前述の因子がそれぞれ別々の連鎖群(染色体)に存在することを明らかにした。
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Research Products
(13 results)