2009 Fiscal Year Annual Research Report
全身獲得抵抗性反応におけるサリチル酸シグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
21880033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
多田 安臣 Kagawa University, 総合生命科学研究センター, 准教授 (40552740)
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Keywords | サリチル酸 / 複合体解析 / シロイヌナズナ / 植物病理学 |
Research Abstract |
SAシグナル伝達におけるNPR1の転写コアクチベーターとしての役割を理解するために、NPR1-GFP植物を用い、NPR1複合体解析を行った。まず、GFP抗体を用いた免疫沈降実験(IP)を行ったが、これによりNPR1オリゴマー複合体の精製に成功した。本複合体タンパク質をコマジー染色により確認後、同バンドを切り出し、質量分析装置に供試した。その結果、オリゴマー複合体メンバーとしてNPR1及び葉緑体由来のタンパク質であるEF-Tuが検出された。EF-Tuは原核生物におけるタンパク質の翻訳に関与するタンパク質であり、リボソームにtRNAを輸送する役割で知られている。一方、EF-Tuの生化学的研究より、同タンパク質は複数のレドックス感受性のシステインを有することが知られている。そこで、NPR1オリゴマーの形成にEF-Tuがどのような役割を担っているかを明らかにするために、EF-Tuのノックアウト植物を用い、SA応答時のNPR1オリゴマー・モノマーの動性をウエスタンブロットで確認した。その結果、EF-Tu変異体では、NPR1オリゴマーの形成は一過的で弱いものであった。また、活性型であるNPR1モノマーの蓄積も同様に一過的で、野生型に比べ量的にも少なかった。現在、in vitro転写翻訳系により生成したEF-Tu及びNPR1を用いて、どのシステインが相互作用に必須であるかを解析中である。今後、はEF-Tuに病原体を接種し、抵抗性反応が影響を受けているかも検討する。
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