2009 Fiscal Year Annual Research Report
解像度の異なる中分解能衛星データが森林資源把握に与える影響
Project/Area Number |
21880035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加治佐 剛 Kyushu University, 農学研究院, 学術研究員 (60538247)
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Keywords | 森林 / リモートセンシング |
Research Abstract |
森林資源のモニタリングにおいて、広域を観測できる衛星リモートセンシングの果たす役割は大きい。国家レベルや地域レベルでのモニタリングでは数十kmから100km四方のエリアを観測できる中分解能衛星データの利用が考えられる。しかし、これまでの中分解能衛星データを利用した研究は事例的な研究が多く、幾種類もの衛星データを比較した事例はあまり見られない。解像度別に各森林資源情報をどの程度の精度で得られるかを提示することは今後衛星データを利用する上で有効は指針となりうる。本年度はまず、衛星データの前処理と森林資源モニタリング調査データの集計を行った。その後、福岡県を対象にLandsat/ETM+(解像度30m)とASTER(解像度15m)を利用して森林・非森林の分類とサンプルデータによる分類精度のばらつきを評価した。分類にはもっとも一般的な分類手法である最尤法を用い、画像間でのサンプルデータの影響を回避するためにブートストラップ法を適用した。分類精度を表すKappa係数はLandsat/ETM+(band 1)で0.73、ASTER(band 8)で0.66となり、どちらの画像も近赤外域のband以外ではKappa係数で0.6程度の精度であったが、近赤外域のbandではほとんど分類できなかった。この結果から解像度30mと15mの画像を用いた森林・非森林の分類はほとんど精度が変わらないことが示唆された。また、使用するサンプルデータによってかなりばらつきがあることが示され、分類を行う際には、単一のデータセットで分類や精度評価を行うのではなく、反復試行を伴った分類を行い、精度のばらつきを評価する必要性を示した。
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