2009 Fiscal Year Annual Research Report
養殖クロマグロの養成環境の変化に対する反応行動の分析
Project/Area Number |
21880047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
米山 和良 Kagoshima University, 水産学部, 助教 (30550420)
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Keywords | クロマグロ / 沖合養殖 / 養成環境 / 遊泳積動 |
Research Abstract |
重要水産資源であるクロマグロの資源量低下にともない、クロマグロの増養殖事業に対する期待はますます高くなった。クロマグロ養殖にはクリアな水質と大規模な養殖施設を設置できる海域が必要とされるが、沿岸域の養成場は既に飽和状態にあることから新たな養成場として沖合域が注目されている。沿岸域と比較して海象条件の厳しい沖合域では耐潮流・耐波浪性を備えた生簀の設置が前提となり、現在、浮沈式の沖合養殖施設の技術開発が進められている。一方で、この厳しい海象条件(養成環境)における閉鎖空間内でのクロマグロの養成が可能であるかについては今後検討する必要がある。本研究ではクロマグロの沖合養殖の実現と効率化を図るために、養成環境の変化が養殖クロマグロの行動にどのように影響を与えているのかを把握することを目的とし、平成21年度では沖合養殖施設内の行動比較のために沿岸養殖施設内における養殖クロマグロの行動測定を実施した。養殖クロマグロ当歳魚に小型記録計を取り付けて遊泳深度を15日間にわたって測定した。21年度では記録計の回収には至らなかったため、22年度にデータを回収する予定である。記録計の回収方法を検討し、早期にデータを取得する方法の確立が課題となった。また、超音波テレメトリーによって実験個体の腹腔温度と遊泳深度を約2ケ月間にわたって測定した。腹腔温度の変化から摂餌行動を把握することができた。平成22年度では、試験設置中の沖合養殖施設において養殖クロマグロの行動測定を行い、現用養殖施設で得た行動記録と比較することで養成環境の変化が行動にどのように影響しているのかを明らかにする予定である。
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Research Products
(9 results)