2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21880051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
金田 哲 National Institute for Agro-Environmental Sciences, 生物生態機能研究領域, 任期付研究員 (00537920)
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Keywords | ミミズ / 農法 / 有機栽培 / 不耕起栽培 / 調査法 / 採取時間 / 採取深度 / 飼育法 |
Research Abstract |
欧米では、ミミズが炭素及び養分循環に影響を及ぼしていることが示されているが、日本ではミミズの役割を把握する研究が遅れており、しかも操作実験で必要不可欠である飼育法すら確立されていない。また、ミミズは自然循環型農法で重要な役割を果たしていると考えられるが、畑地においてミミズがどの程度生息しているか不明である。 本課題では、畑地でのミミズ採取を効率的に行うために、ミミズの垂直分布及び採取時間と採取率の関係を把握した((1)採取法の確立)。それと同時に農法とミミズ群集の関係を把握した((2))。また日本に優占しているフトミミズ科のミミズの飼育法確立を試みた((3))。(1)と(2)の研究を遂行するために、茨城県内の黒ボク土壌で畑作を行っている圃場10ヶ所(慣行栽培、有機栽培、不耕起栽培)で調査を行った。調査は、土を0.25m^2の方形区で深さを10cm毎に50cmまで採取し、実験室で時間を計測しながら土からミミズを採取した。その結果、表層20cmを採取することで、94%(50cmまで採取した時のミミズの重量を100%とした場合)のミミズが採取出来光15.6Lの体積の土では8分かければ90%のミミズが採取出来ることが明らかとなった。(3)のミミズの飼育法確立に関する研究では、野外に生息しているミミズを採取し飼育実験に用いた。幼体ではミミズの種を特定することは出来ず、成体でも生きた状態では種の特定は難しいため、種が分かるミミズ(ヒトツモンミミズ、クソミミズ)のみ種を特定して飼育し、他は種を特定しなかった。ミミズは、温度15℃で60%の水分含量の黒ボク土壌で飼育した。餌として牛糞ペレット、落ち葉、イナワラ、コケ、紙を用い、これらを土壌に混入または表層に設置した。ミミズの重量を1ヶ月ごとに測定し各ミミズ種の飼育可能性を調べた。その結果今回の飼育条件では、すべてのミミズにおいて飼育出来なかった。
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