2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規ウシ腸管上皮細胞株によるプロバイオティクスの消化管自然免疫調節機構の解明
Project/Area Number |
21880053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
遠野 雅徳 National Agricultural Research Organization, 畜産草地研究所機能性飼料研究チーム, 研究員 (50547718)
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Keywords | 畜産学 / 獣医学 / プロバイオティクス / 消化管 |
Research Abstract |
本年度は、主に1)家畜飼料由来の有望な乳酸菌株の分離・性状解析・選抜および、2)ウシ腸管上皮細胞株の自然免疫受容体発現解析、の2点に焦点を絞り検討した。大家畜の消化管自然免疫調節作用に有用な乳酸菌の選抜において、チモシー・オーチャードグラス混播牧草より乳酸菌を262菌株分離し、そのうち30菌株を免疫調節ポテンシャルを考慮して詳細に検討した。生理・生化学的性状解析および16SrDNAシークエンス解析により、分離菌株を13グループに分類した。解析の結果、Lactobacillus(L.)plantarum、L.coryniformis、L.acidipiscis、L.sakei、Weissella paramesenteroides、Weissella hellenica、Leuconstoc pseudomesenteroides、Lactococcus lactis subsp.lactis、Lactococcus garvieae、Pediococcus acidilactici、Pediococcus pentosaceus、Enterococcus gallinarumが分離され、興味深い事に、特に目然免疫調節作用が強いことが期待されるL.plantarumが30菌株中10菌株得られた。また、ウシ腸管上皮細胞株の詳細な解析により、細胞膜貫通型Toll-like receptor familyおよび細胞内Nucleotide-oligomerization domainファミリーの顕著な発現が認められた。今後、分離した乳酸菌とウシ腸管上皮細胞株に発現する各種自然免疫受容体との相互作用について更に詳細に検討することにより、機構・機能・成分の明らかな消化管自然免疫調節作用の強い乳酸菌の実用化が強く期待できる。
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Research Products
(2 results)