2009 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素ガスを利用したニッケル触媒によるアミノ酸の効率的合成法の開発
Project/Area Number |
21890001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
美多 剛 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 助教 (00548183)
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Keywords | 二酸化炭素 / 固定化 / アミノ酸 / イミン / アミノスズ / セシウムフルオリド / 遷移金属錯体触媒 / Stille型反応 |
Research Abstract |
まず研究計画に従い、窒素原子上に様々な保護基を有するイミンを調製し、CO_2およびNi(COD)_2を用いたアザニッケラサイクル形成の検討を行った。しかし、いかなる条件においても目的とするアザニッケラサイクルの生成は確認できなかった。また、塩酸により加水分解したところ、目的とするアミノ酸誘導体の代わりに、イミンが還元されたアミン、もしくはイミン炭素とCO_2の酸素原子が反応して生成したと考えられるアミド誘導体が合わせて30%程度得られ、残りは原料回収であった。また、当初の計画通り、キレート効果を期待してイミンの窒素原子上に配位性の置換基を有した基質も試みたが、優位な差は観測されず、望みのアミノ酸誘導体は得ることはできなかった。 そこで、大胆に合成戦略を変更し、α-アミノスズ誘導体を別途調製し、パラジウム、およびニッケル等の遷移金属錯体触媒を用いたCO_2とのStille型反応への展開を考えた。いくつかの既存の配位子を用いて反応を試みたところ、セシウムフルオリド(CsF)をスズの活性化剤として用いた際にCO_2と反応してアミノ酸誘導体が得られることがわかった。その後のコントロール実験より、遷移金属錯体触媒は本反応には必須ではなく、CsFのフッ素アニオンがスズを攻撃し、生じたカルボアニオンがCO_2へ求核付加していることが明らかとなった。いずれにせよCO_2をカルボン酸ユニットとして用い目的とするアミノ酸が得られたことから、今後はイミンへのシリルスズの付加(ビスメタル化)、続くCsFによるCO_2の導入反応をワンポットで行うとで、一般性の高いアミノ酸合成法の構築を成し遂げたい。
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Research Products
(1 results)