2009 Fiscal Year Annual Research Report
Viroporinを標的とした新たなウイルス感染症治療法の創出
Project/Area Number |
21890004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
鈴木 忠樹 National Institute of Infectious Diseases, 感染病理部, 任期付研究員 (30527180)
|
Keywords | JCウイルス / Viroporin / Agnoprotein / PML |
Research Abstract |
「Viroporinを標的とした新たなウイルス感染症治療法の創出」 ウイルスの感染サイクルにはウイルスによって様々なステップが存在するが、一般的にウイルスが感染を拡大させていくためには感染サイクルの最終段階として複製した子孫ウイルスを細胞外へ放出する必要がある。エンベロープを持たないウイルスの多くは、その感染の最終ステップにおいて感染細胞を破壊(Cell lysis)することにより、細胞外へと放出されると考えられているが、これは「Viroporin」というウイルスタンパク質による直接的な形質膜への傷害によるものと考えられている。本研究課題では申請者らが機能同定したJCウイルスのAgnoを研究材料として用いて「Viroporinを標的とした新たなウイルス感染症治療法を創出する」ことを目的とする。 細胞表面上に存在する膜タンパク質の機能を特異的に制御する物質を得る方法として最も簡単で汎用されているのは特異的な抗体を作成することであり、平成21年度はAgnoを発現させた細胞をマウスに免疫する事により、Agnoの細胞外領域を認識するモノクローナル抗体の作成を試みた。現在、一次スクリーニングを終えた段階で、Agnoを発現させた細胞に強く反応するクローンが20個程得られた。また、クローンの選択に当たりAgnoの機能を効率良く評価できるようにカルシウムイオンプローブのYC3.60を安定的に発現し、Agnoを誘導発現できる細胞株SVG-AG-YC3.60を樹立した。今後は、このクローンの中からAgnoの機能を抑制するクローンをSVG-AG-YC3.60細胞を用いて選択し、さらにこのクローンによる感染抑制について検討する予定である。
|