2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体に使用可能な新規メカニカルストレス負荷モデルの開発
Project/Area Number |
21890017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松井 有恒 Tohoku University, 病院, 医員 (60547264)
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Keywords | OCP / Col / メカニカルストレス / 骨再生 |
Research Abstract |
生体へ応用後の骨再生材料が周囲組織から受けるメカニカルストレス量により異なる挙動を示すことが報告されており(Matsui A et al., Tissue Eng Part A., 2010)、それらを規定できるモデルの開発は今後の再生医療分野において重要な意義を持つ。本研究は骨再生過程におけるin vivoメカニカルストレス負荷モデルを提案し,骨再生材料との併用により、そのメカニズムと骨リモデリングへの影響(骨再生に最適なストレス量の定量)を調査することを目的とし立案されたものである。実験開始段階において、4週齢のラット下顎骨を部分的に切離し、チタン製のストレス負荷装置を装着することで、細胞レベルの応答と骨再生に及ぼす影響を検討しようと試みるも、侵襲および口腔内衛生状態のニントロールが困難であったことから、実験動物を中型動物であるビーグル犬へと変更した。実験部位は上顎とし、第二、第三切歯を抜歯し歯槽骨を削合・骨欠損を作製後、本研究にて開発したメカニカルストレス負荷装置を装着し、同検討を行うこととした。 本年度はリン酸オクタカルシウム(Ca_8H_2(PO_4)_65H_2O;OCP)とコラーゲンの人工合成物であるOCP/Collagen(OCP/Col)の製作と犬上顎への試料の埋入および、μCTによる新生骨の骨質評価を含めた各種評価を行った。結果、OCP/Col埋入群においては3次元的にも良好な骨架橋形成が確認されたが、対照群であるCollagenのみの埋入群においては骨形成を確認することはできなかった。μCTによる骨質評価においてはBMD(bone mineral density)値において皮質骨様細織と海綿骨様組織の2種の異なる組織の形成を確認し、これら所見は臨床的にも重要な知見であると考える。来年度以降、同部位へ本研究で提案するストレス負荷モデルを応用することにより、骨形成に最適なストレス量の評価と形成された新生骨の骨質評価等に関しさらに詳細な検討を進める予定である。
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Research Products
(2 results)