2009 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-βシグナルによる血管新生制御機構の時空間的解析
Project/Area Number |
21890022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
伊東 史子 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (70502582)
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Keywords | TGF-β / 血管新生 / Smad2 / 3 / conditional knockout / N-cadherin / リンパ管 |
Research Abstract |
TGF-βは、血管を形成する血管内皮細胞や血管平滑筋細胞の増殖・分化を制御しており、血管新生に重要な役割を担っている。血管内皮細胞にはTGF-βI型受容体であるALK5に加えて、血管内皮細胞特異的I型受容体ALK1が発現し、血管新生を正負両面から複雑に制御している。そこで、血管新生におけるTGF-β/ALK5シグナルの分子メカニズムを解明するために、血管内皮細胞特異的にALK5シグナルの細胞内標的分子Smadを欠損させたマウス、Smad2^<F/F> ; Smad3^<-/-> ; Tie2-Cre (Smad2,3コンディショナルダブルKO(CDKO))マウスを作製・解析した。その結果、Smad2/3CDKO胚ば胎生13.5日までに全身からの出血で死亡した。CDKOマウス胚では血管新生は誘導されているが、その血管構造において血管平滑筋細胞のリクルートが減少していた。その原因として血管内皮細胞でのN-cadherinの発現量低下を確認し、TGF-βがSmad2/3を介してN-cadherinの発現と局在を制御して血管平滑筋細胞のリクルートを調節し、血管の成熟機構に関与していることを明らかにした(論文投稿中)。さらに、TGF-βシグナルによる血管形成から維持過程に関摩する遺伝子群を網羅的に同定するために、胎生10.5日CDKO胚より血管内皮細胞を分離し、マイクロアレイ解析を行っている。 また、リンパ管形成における役割をin vivoで明らかにするために、TGF-βシグナルの受容体及びSmadをリンパ管内皮細胞特異的に欠損させたマウスを作製し、誠意解析中である。
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Research Products
(6 results)