2010 Fiscal Year Annual Research Report
TGFーβシグナルによる血管新生制御機構の時空間的解析
Project/Area Number |
21890022
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
伊東 史子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (70502582)
|
Keywords | TGF-β / 血管新生 / Smad2/3 / conditional knockout / LYVE-1 / リンパ管 |
Research Abstract |
TGF-βは、血管を形成する血管内皮細胞や血管平滑筋細胞の増殖・分化を制御しており、血管新生に重要な役割を担っている。血管内皮細胞にはTGF-βI型受容体であるALK5に加えて、血管内皮細胞特異的I型受容体ALK1が発現し、血管新生を正負両面から複雑に制御している。そこで、血管新生におけるTGF-β/ALK5シグナルの分子メカニズムを解明するために、血管内皮細胞特異的にALK5シグナルの細胞内標的分子Smadを欠損させたマウス、Smad2^<F/F>;Smad3^<-/->;Tie2-Cre(Smad2,3コンディショナルダブルKO(CDKO))マウス由来の血管内皮細胞(MEEC)を作製した。この細胞が血流から受けるシェアストレスに対する影響を調べたところ、野生型MEECと比較して反応性が低下していた。そこでシェアストレスに応答する変動遺伝子を精査するためにマイクロアレイ解析、miRNAアレイ解析を行った。TGF-βシグナルが存在しないと、一部のカドヘリンのmRNAが低下していた。miRNAについては、その標的mRNAの同定を行っている。 また、リンパ管形成におけるTGF-βシグナルの役割をin vivoで明らかにするために、TGF-βシグナルの受容体及びSmadをリンパ管内皮細胞特異的に欠損させたマウスを作製した。胎生10.5日にタモキシフェンを母体腹腔内に投与し、13.5日、14.5日で解剖したところ、わずかな浮腫を認めた。リンパ管のマーカーであるLYVE1で染色したところ、野生型と比較してTGF-βシグナルを欠損した胚ではリンパの拡張及び未熟なリンパ管網を検出した。現在、リンパ管の異常をきたす原因遺伝子の探索を行っている。
|
Research Products
(4 results)