2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890028
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
阿久津 博義 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (20547955)
|
Keywords | MRS / 脊髄 / 代謝 / 超高磁場MR装置 / 上位頸椎 |
Research Abstract |
磁気共鳴スペクトロスコピー(magnetic resonance spectroscopy:MRS)は生体内の代謝物の評価として日常臨床にも広く応用されており、特に頭蓋内疾患を中心に鑑別診断や治療効果判定などで利用されている。脊髄疾患においても、MRSが有用である事は予想されるが、現実には周囲組織による磁場の不均一性、呼吸や心拍動に伴う髄液拍動や脊髄の移動などによるアーチファクト等の理由で、これまでに有用な臨床報告はなかった。我々は超高磁場MR装置の高い空間分解能と信号雑音比を利用し、脊髄MRSを実現した。まず、正常健康ボランティアにおけるsingle-voxe1法で、頸髄および脳幹部における代謝物測定法を確立した。加算回数は脳で使用される96や128はSNRに問題が残り、256で良好なスペクトルが得られた。TEに関しては、TE144msではSNRが低かった。コイルに関しては、NV16よりもFlex-Mでシミング状態が良かった。REST、SadPad、PPU triggerは良好なスペクトルを得るのに有効であった。SadPadは頚部の構造的不均一を補正するだけでなく、動きの抑制にもなることで有用だった。しかし、multi-voxe1法ではアーチファクトやコンタミネーションが強く実用化にまでは至らなかった。脊髄疾患患者においては、上位頸椎でアーチファクトが少ないなど撮影条件に恵まれた症例ではデータ取得が可能であった。本研究によって、脊髄MRSが技術的に可能であることが証明され、特に上位頸椎病変などの脊髄疾患の鑑別・質的診断において有用である可能性が示された。
|
Research Products
(3 results)