2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890036
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 浩太郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 特任助教 (90554634)
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Keywords | 肥満細胞 / NF-kB / 脱顆粒 / アレルギー性炎症 / type I IFN / STAT4 |
Research Abstract |
肥満細胞の脱顆粒制御機構を明らかにする過程において、他の細胞に比して肥満細胞に高発現しているSTAT4に着目しSTAT4の脱顆粒における役割について検討し以下の知見を得た。 A)STAT4のFceRI誘導性の脱顆粒における役割 STAT4欠損マウスより骨髄由来肥満細胞(BMMCs)を調整し脱顆粒能を検討したところ、STAT4欠損肥満細胞においても野生型肥満細胞と同程度の脱顆粒能を保持しており、STAT4は肥満細胞脱顆粒の制御に必須ではないことが明らかとなった B)肥満細胞のI型IFN応答におけるSTAT4の役割 ウイルス感染時の免疫応答への関与が示されているI型インターフェロン(IFN)-STAT4経路の肥満細胞における役割を明らかにすることを目的として、1)BMMCsにおけるSTAT4の発現、2)IL-12,IL-23,IFN-β刺激によるSTAT4のリン酸化、3)STAT4欠損マウス由来BMMCsの発達、4)STAT4欠損マウス由来BMMCsにおけるIFN-β誘導性遺伝子の発現を検討し以下の結果をえた。1)BMMCsではSTAT4の発現が認められた。2)野生型BMMCsではIFN-β刺激によりSTAT4のリン酸化が認められた。3)STAT4欠損マウス由来BMMCsの発達は正常であった。4)STAT4欠損マウス由来BMMCsでは、IFN-β刺激によるSOCS1やIfit1の発現誘導は野生型BMMCsと同等に認められたが、MCP-1の発現誘導は著明に減弱していた。以上の結果より、肥満細胞に発現するSTAT4は、I型IFNによるMCP-1の発現誘導に必須であり、ウイルス感染時の自然免疫応答の増幅機構に関与している可能性が示唆された。
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