2010 Fiscal Year Annual Research Report
mRNAのポリA鎖分解酵素による新規生体エネルギー恒常性維持機構の解析
Project/Area Number |
21890047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 斉弘 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (50549475)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / マイクロアレイ / 糖尿病 / 脂質代謝 / 国際情報交換 / カナダ |
Research Abstract |
本研究課題においてはCCR4複合体がポリA分解活性を通してメタボリックシンドロームに対してどのように影響を及ぼしているかを明らかにすることを目的としている。本年度は、昨年までに得られたデータをまとめて論文を投稿し、雑誌社からのコメントを基に追加実験を行った。CCR4複合体の構成因子であるCNOT3がマウスにおいて栄養状態により発現変動することを明らかにしていたが、マウスに糖やインスリンを注入することによりCNOT3の発現に重要な栄養シグナルを探索した。また昨年度までに同定したCCR4複合体の標的mRNAをCNOT3がどのように認識しているかを調べてきた。その結果CNOT3がmRNAを認識するには標的mRNAの3'UTRが内在性配列として重要であることを明らかにした。さらにRIP-CHIPを行うことによりmiRNAがCCR4複合体によるmRNAの認識に関与していることも明らかにでき、生体内における新たなmRNAの発現制御機構を示唆することができた。CNOT6L遺伝子欠損マウスに関しては、昨年度までにCNOT6L遺伝子欠損マウスが肥満耐性であることを明らかにしてきたが、本年度はそのメカニズムの解明に踏み込むことができた。CNOT6LのポリA分解活性そのものがエネルギー恒常性の維持において重要かを確かめるために、まずCNOT6Lの構造を解明し活性に重要なアミノ酸を調べた。CNOT6Lの構造に関しては論文を発表することができた。その結果を基に活性変異体を作製し、実際に遺伝子欠損マウスに導入することによりエネルギー恒常性維持におけるポリA分解活性の重要性を明らかにすることができた。このプロジェクトでは予想以上の成果が得られ、論文も発表することができた。これらの研究は肥満や糖尿病といった疾患への創薬に結び付く可能性があり、臨床応用に役立つことが期待される。
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[Journal Article] Crystal structure of the human CNOT6L nuclease domain reveals strict poly(A) substrate specificity.2010
Author(s)
Hui Wang, Masahiro Morita, Xiuna Yang, Toru Suzuki, Wen Yang, Jiao Wang, Kentaro Ito, Quan Wang, Cong Zhao, Mark Bartlam, Tadashi Yamamoto, Zihe Rao
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Journal Title
The EMBO journal
Volume: 29
Pages: 2566-2576
Peer Reviewed
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[Presentation] Cnot3, a Novel Critical Regulator of a mRNA Stability, is Involved in the Maintenance of the Bone Mass and the Bone Structure in Senile Osteoporosis Model2010
Author(s)
Chiho Watanabe, Masahiro Morita, Yoichi Ezura, Tetsuya Nakamoto, Tadayoshi Hayata, Hiroaki Hemmi, Takuya Notomi, Keiji Moriyama, Tadashi Yamamoto, Masaki Noda
Organizer
The American Society for Bone and Mineral Research 2010 Annual Meeting
Place of Presentation
Toronto, Canada
Year and Date
2010-10-18
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