2009 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面領域における神経障害の治療開発に向けたmicroRNAの機能解析
Project/Area Number |
21890062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古賀 陽子 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (10392408)
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Keywords | 神経幹細胞 / 神経損傷 / microRNA / 再生医療 |
Research Abstract |
【目的】頭蓋顎顔面領域における炎症、外傷、先天性疾患に起因する組織欠損や神経損傷に対して、組織再建が重要な課題となっている。申請者は、特に治療が困難とされている三叉神経痛((1)中枢神経に関連しておこる本態性(2)末梢領域における症候性)や顔面、舌神経麻痺などといった神経損傷や障害、創傷治癒の新たな治療開発を目指すのに際し、再生医療分野における基礎的な性状解析すなわち、増殖および分化を制御する機構や分子生物学的レベルでの解析が必要であると考えた。そして新たな治療法のアプローチとして、microRNAと中枢神経系の幹細胞の関係に着目し、大脳皮質特異的に全てのmicroRNAの発現を抑制させたDicer遺伝子操作マウス(DicerCKO)を用いて、in vitroにおける神経幹細胞の増殖能および分化能の検討を行った。【結果】(1)増殖能の検討:培養には、ニューロスフェア法を用いた。その結果DicerCKOにおいて、顕著なニューロスフェア数の減少と増殖能の低下が認められた。また、DicerCKOのニューロスフェアに未分化マーカーであるNestinが発現しているか否か検討を行い、その発現を確認できた。次に、得られたニューロスフェアが自己複製能を有しているか否かを検討し、非常に興味深いことに、継代したDicerCKOのニューロフェアはコントロール群と同様の自己複製能を有していることが認められた。(2)分化能の検討:得られたニューロスフェアに多分化能があるか否か検討を行ったところ、DicerCKOにおいてTuj1,GFAP,04のアブノーマルな分化能を認めた。【結語】以上の結果より、さらなる検討が必要ではあるが、microRNAが神経幹細胞および神経細胞運命を制御していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)