2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質受容体・イオンチャネルを介した力学的負荷伝達機構の解明
Project/Area Number |
21890071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
納富 拓也 Tokyo Medical and Dental University, 歯と骨のGCOE拠点, GCOE拠点形成特任教員 (70542249)
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Keywords | HCN / イオンチャネル / 破骨細胞 |
Research Abstract |
イオンチャネルの一つであり、ペースメーカーチャネルと呼ばれるHCN(Hyperpolarization activated cyclic nucleotide modulated channel)に着目して研究をすすめてきた。本年度では、そのサブタイプの一つである、破骨細胞の酸放出部位である波状縁に局在しているHCN1の機能をHCN1遺伝子欠損マウスにて検討した。また、骨芽細胞におけるHCN3の役割の解析をすすめた。具体的には次の通りである。 1、骨形態計測法にて、HCN1欠損マウスを野生型マウスの海綿骨骨量、骨構造、骨形成・骨吸収を評価した。HCN1欠損マウスでは、野生型のマウスに比べて、海綿骨骨量が減少し、骨構造がもろくなっていた。また、骨形成指標と骨吸収指標が増加しており、高代謝回転型の骨量減少が生じていた。 2、パッチクランプ法を用いて、HCNにより発生する電流(Ih)を成熟破骨細胞にて記録・解析した。HCN1欠損マウス由来の破骨細胞においても、Ihが同定された。これは、HCNの別のサブタイプ由来のものと考えられ、このサブタイプを同定中である。 3、骨芽細胞においては、HCN3の骨芽細胞機能への関与が認められた。HCN3を過剰発現させたところ、骨芽細胞の増殖が促され、骨芽細胞分化の指標であるALPの増大が認められた。 以上の結果から、HCN1は、骨代謝回転を調節するとともに、破骨細胞の膜電位調節での役割が示唆された。さらに、HCN3と骨芽細胞機能の関係から、HCN3の骨形成における関与が考えられる
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