2009 Fiscal Year Annual Research Report
色刺激が唾液量、味覚閾値および自律神経系に与える影響
Project/Area Number |
21890077
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐々木 晶世 Tokyo Medical and Dental University, 保健衛生学研究科, 助教 (90538018)
|
Keywords | 色 / 唾液 / 味覚閾値 / 心拍変動 / 口腔内水分量 |
Research Abstract |
視覚と味覚の関連を検証することを目的として、以下の3点を検討した。(1)口腔内水分量の1日の変化および飲水後の経時変化の測定、(2)色刺激の方法の検討、(3)色刺激を与えた状態での味覚閾値の測定。 (1)口腔内水分計ムーカスを用いて口腔内水分量を測定した。起床時が1日の中で最も低値であり、食後や含嗽後に増加した。飲水後10分までは上昇するが、それ以降は低下し、20分程度で飲水前の値に戻った。 (2)被験者3名(すべて女性)に対し、机と椅子を設置した静かな環境で実施した。光は白色蛍光灯で、500~700ルクス程度であった。赤、青、黄、緑、オレンジ各色のゴーグルをかけ、机の上に置いた水の入った透明なコップを5分間見てもらった。次に、同じ色のA4およびA3サイズの色画用紙の上にコップを置き、ゴーグルは使わず5分間見てもらい、それぞれ感想を聞いた。色のついたゴーグルでは、青や緑、赤を使用した際に「暗い」感じがするという感想が聞かれた。A4サイズの画用紙では、視野の中で、色よりも周囲の床や壁の面積の方が広い感じがするという意見であった。 (3)健康な男女5名(うち男性1名)に対して、白・黄・赤・青の4色を視覚刺激として用いて唾液量と味覚閾値を測定した。唾液量測定は吐唾法を、味覚閾値測定はテーストディスク(三和化学)を用いた。視覚刺激はA3サイズの色画用紙を用いた。その結果、黄色による色刺激により、甘みを感じやすくなった人と感じにくくなった人がそれぞれ2名ずついた。また、黄色により苦味を感じにくくなった者も2名いた。酸味と塩味は色による味覚閾値の変化がなかった。以上より、黄色は味覚を変化させる可能性が示唆された。
|