2009 Fiscal Year Annual Research Report
微生物が生産する非天然型生物活性物質の新規構造に関する研究
Project/Area Number |
21890083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
加藤 光 Kanazawa University, 薬学系, 助教 (20547129)
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Keywords | 海洋由来微生物 / 取込実験 / 非天然型化合物 / Aspergillus属 / ヘキシルイタコン酸 |
Research Abstract |
天然物の生合成においては、現在の有機化学的手法では不可能な反応が起こりえる。その特性の活用により天然物の構造多様性をさらに引き出すことができれば、医薬品シーズを効率的に供給できると思われる。本研究では、始めに、海洋由来微生物の代謝産物から薬理学的機能性をもつ化合物を見出す。続いて、その構造から推定される生合成前駆体の取込実験を行い、微生物に非天然型の新規活性物質を生合成させることを目的とする。そして、取込実験が、多様な化学構造を微生物に生合成させる効率的な方法となり得るのかを検討する。本年度は、石川県の沿岸で生物や砂などを採集し、それらから約300種の微生物を単離した。それらの微生物の培養物を生物活性試験によりスクリーニングした。そして、活性の認められた培養物のうち、フナムシから得られたAspergillus属真菌の培養物を選別した。その培養物を各種クロマトグラフィーにより分画し、2種の新規ヘキシルイタコン酸類縁体を単離した。ヘキシルイタコン酸は植物成長促進活性を有することが知られている。そこで、ヘキシルイタコン酸の推定生合成中間体を本真菌に取り込ませ、その培養物からオキザリル基を有する新規ヘキシルイタコン酸類縁体を単離した。オキザリル基を有するイタコン酸類縁体は本研究で初めて見出された。新たな官能基を有する非天然型化合物が容易に見出されたことから、取込実験が、多様な化学構造を微生物に生合成させる効率的な方法となり得ると考える。来年度は、取込実験の培養物からさらに非天然型生理活性物質を探索する。また、効率的に非天然型化合物を生合成させる条件を検討する。得られた化合物については、構造活性相関を検討する。
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Research Products
(1 results)