2009 Fiscal Year Annual Research Report
中絶ケアに関する看護教育の実態及び教育モデルの考案-海外との比較検討から
Project/Area Number |
21890089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
水野 真希 Kanazawa University, 保健学系, 助教 (60547181)
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Keywords | 人工妊娠中絶 / 教科書内容分析 / 助産教育 / 保健師教育 / 看護教育 |
Research Abstract |
日本の看護・助産教育の中で人工妊娠中絶ケアはどのように教育されているのか、その実態を明らかにするために、看護・助産教育に使用されている教科書の内容分析を行った。内容分析をするにあたり、まず、人工妊娠中絶に関連する国内外の文献をレビューし、内容分析に用いるフレームワークを作成、次に、現在国内で出版されている看護・助産・そして地域保健に関する教科書222件の中から、人工妊娠中絶と中絶ケアに関連する教科書24冊を特定し内容分析を行った。 その結果、以下の4点が明らかとなった。 1.看護領域の中では助産教育と母性看護領域で人工妊娠中絶に関する内容が90%以上記載されていた。 2.教科書の内容として「General information related to TOP」、「Legal and Ethical aspects of abortion」、「Family planning method」、「Pre-abortion and post-abortion care」の順に多かった。 3.「Nursing intervention and nurse led services, professional development, and support」「Methods of abortion」はほとんど記載されていなかった。 4.フレームワークの中でも出生前診断による倫理的問題と中絶を選択した女性の心理的特徴、人工妊娠中絶の社会的問題、法律の定義に関連する内容が多く記載されていた。 以上のことより、日本では人工妊娠中絶に関する問題点が大きく教育現場で指導されており、実際のケアに関連する内容が非常に非薄な現状が明らかとなった。先行研究では、中絶ケアに実際関わっている看護者からケア方法が分からず戸惑いや倫理的困惑を抱くとの報告が多数あり、さらに、教育現場でも中絶ケアへの指導方法に戸惑いがあるとの報告がなされている。中絶ケアの発展を妨げている要因を明らかにするためには、教育現場ではどのような教育理念を持ち、実際指導している教員の認識、教育内容についてさらなる調査を行う必要がある。また、海外で中絶ケアをどのように指導し、臨床で生かされているのか更なる調査が必要である。
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Research Products
(1 results)