2010 Fiscal Year Annual Research Report
要支援高齢者において一日の照度が睡眠・活動・心身の健康に及ぼす影響
Project/Area Number |
21890090
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
市森 明恵 金沢大学, 保健学系, 助教 (80507369)
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Keywords | 照度 / 要支援高齢者 / 睡眠 / 活動量 / 抑うつ |
Research Abstract |
本年度は,要支援高齢者における一日の照度と睡眠,活動量,心身の健康への影響について、特に冬季における照度と睡眠,活動量,心身の健康についての調査結果の分析に取り組んだ。 照度は、地球の概日リズムに合わせた「日の出/日の入り」区分と、対象者本人の生活リズムに合わせた「離床/就床」区分の2区分で、それぞれの区分において平均照度と基準照度以上の平均時間を算出して定量化した。属性別、生活状況別、外出の有無で照度を比較し、さらに照度と睡眠、活動、心身の健康との関係を分析した。睡眠、活動、心身の健康に関係する要因を検討するため、stepwise法による重回帰分析を行った。 「日の出/日の入り」区分では、日の出時間帯の平均照度は687.1lxであり、1,000lx以上の時間が0分の者が8名いた。日の出時間帯の500lx以上の時間が長いほどうつ傾向が低かった。100lx以上の時間が長いほど身体的健康度が高かった。 「離床/就床」区分では、離床時間帯の平均照度は589.7lxであり、日の出時間帯と同様に1,000lx以上の時間が0分の者が8名いた。就床時間帯の平均照度が暗いほどうつ傾向が低かった。離床時間帯の100lx以上の時間が長いほど身体的健康度が高かった。 日の出時間帯の500lx以上の時間が長く、就床時間帯の平均照度が暗いことがうつ予防につながる可能性があると考える。日の出時間帯および離床時間帯の100lx以上の照度が身体的な健康問題の存在を示すことが示唆された。地球の概日リズムと本人の生活リズムを用いた本研究の照度の定量化方法により、今後、うつ予防と身体の健康管理に有効な照度を明らかにしていくことが可能であると考える。
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Research Products
(1 results)