2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
榊原 明 Nagoya University, 医学系研究科, 助教 (20510217)
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Keywords | 大脳皮質形成 / ニューロン移動 / 軸索形成 / 樹状突起形成 / イメージング / 神経発生 / 細胞極性 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
本研究はライブイメージングの手法を用いて哺乳類大脳皮質形成の基盤となるニューロンの移動、配置ならびに神経軸索、樹状突起形成メカニズムを明らかにすることを目指している。その目的達成のために、(1)マウス胎仔由来大脳原基スライス培養法を用いて蛍光標識したニューロンの経時的ライブ観察を行い、三次元脳組織内におけるニューロンの移動、細胞体配置、軸索ならびに樹状突起形成の過程を細胞レベルで詳細に解析するとともに、(2)ニューロンの細胞体配置、軸索形成の過程に注目して、その基盤となる微小管系細胞骨格、細胞極性制御因子の役割について分子レベルでの解析を行う。 本年度は、胎生13日目マウス胚への子宮内エレクトロポレーション法を利用した錐体ニューロンの散発性蛍光標識法ならびにスライス培養下での共焦点レーザー走査顕微鏡を用いた蛍光ライブイメージング系の改良を行い、大脳原基内における錐体ニューロンの動態を再現性良く観察することが可能な実験系を確立した。さらに、この系を使って早生まれ錐体ニューロンの移動、細胞体配置、軸索ならびに樹状突起形成の過程を詳細に観察した。これまでに、(1)中間帯を多極型形態で移動中のニューロンにおいて軸索様突起の形成が始まっていること、(2)皮質板上層に到達したニューロンにおける樹状突起形成の際に、従来考えられていた先導突起が将来の樹状突起主軸となるケース以外に、先導突起とは別の微小突起が成長して、主軸となるケースが観察されることを明らかにしている。これらの知見の一部は、従来の固定標本の観察に立脚した実験系からは決して伺い知ることの出来ないものであり、ライブ観察に基づく本研究の有効性を証明するものである。
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