2010 Fiscal Year Annual Research Report
RFPによるLamin Aの分解制御機構とその腫瘍悪性化における意義の解析
Project/Area Number |
21890097
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 琢哉 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (00551970)
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Keywords | Lamin A / RFP / Ubiquitin |
Research Abstract |
前年に引き続きLamin Aのubiquitin-proteasome系による分解を検討した。RFPの欠失変異体を用いた実験を行った結果、Lamin Aのpoly-ubiquitinationがRFPのRing fingerドメイン依存的に起こることが判明した。このことから2010年に他のグループから報告された通り、RFPがRing fingerタイプのubiquitin E3 ligase活性を持ち、Lamin Aのpoly-ubiquitinationを触媒していることが明らかとなった。そこで、内在性のRFPがLamin Aのタンパク量にどのような影響を与えるかをRFPのsiRNAを用いたノックダウンによって検討した。予想に反して、RFPの発現が低下してもLamin Aのタンパク量は影響を受けないという結果が得られた。このことから、RFPによるLamin Aのubiquitinationが、Lamin Aの分解以外に働いている可能性が考えられるため、今後の検討が必要である。 RFPおよびLamin Aが癌細胞の悪性化に与える影響について検討するために、両者をノックダウンした癌細胞を用いてwound healing assayを行い、細胞の運動能について評価した。その結果、それぞれのノックダウンによって細胞の運動能の低下がみられた。このことから、当初想定していたようなRFPによるLamin Aの分解というネガティブな制御機構ではなく、RFPがLamin Aと協調的に機能して細胞運動を制御する機構が存在する可能性が出てきた。 今後はRFPによるLamin Aのubiquitinationの意義とその細胞運動の制御における役割に着目して研究を推進する予定である。
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