2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
有馬 千夏 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, COE特任助教 (00534843)
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Keywords | 肺癌 / mRNAマイクロアレイ / miRNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
肺癌の発生・進展において特徴的な発現制御異常を示すmRNAをマイクロRNAを規定する遺伝子群を両データを統合的に解析することによって同定するため、取得している肺腺癌検体76症例のmRNAおよびマイクロRNAのマイクロアレイデータを用いて、遺伝子とマイクロRNAの発現パターンの相関を調べた。まず、肺癌検体において、3 fold change以上の発現変動を示すmRNAを抽出した。抽出したmRNAと発現が確認できた257個のマイクロRNAに対して相関係数を求め、Bonferroni補正後のp-valueが0.05未満となる有意な相関を示す遺伝子とマイクロRNAとの組合せを得た。このうち、遺伝子とマイクロRNAとの間に負の相関のあるものについては、マイクロRNAがターゲット遺伝子を抑制する関係、あるいは、遺伝子がマイクロRNAを抑制する関係が考えられる。まず、マイクロRNAがターゲット遺伝子を抑制する関係に注目することとし、その関係を示す遺伝子とマイクロRNAを抽出するため、TargetScanを用いて、マイクロRNAのpredicted targetである遺伝子のみを抽出した。その結果、16個の遺伝子とマイクロRNAとの組合せを抽出できた。このうち、マイクロRNAと遺伝子に負の相関がある2個の組合せについては、肺癌で高発現するマイクロRNAが組合せの遺伝子をターゲットとすることが報告されており、今後、互いに制御する関係にある可能性が期待される残りの遺伝子とマイクロRNAの組合せについて、実験により制御関係の有無を確認する予定である。
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