2009 Fiscal Year Annual Research Report
サイボーグ技術に不可欠な埋植型低インピーダンス神経用電極の開発
Project/Area Number |
21890101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥井 伸幸 Nagoya University, 医学部附属病院, 医員 (70547554)
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Keywords | Cybernetics / 電動義手 / 後根神経節細胞 |
Research Abstract |
ロボット技術の進歩は自然の手に近い動きを再現できる軽量な義手の作成を可能にしたが、神経系と制御用コンピューターのインターフェースの性能の低さがmoter neuroprosthesisの実用化を拒む主因となっている。もう一つの電動義手での課題が知覚機能である。手が持つより繊細な機能を再現するために知覚機能は不可欠である。ここでも機械と神経とのインターフェースが重要であり難しい問題である。 最初にアダルトラットの後根神経節(DRG)を採取し、DRG neuronを培養した。このprimary cultureを用いて3種のコーティング(Laminin coated、Poly-L-lysine Hydrobromide coated、RGD coated)を行った金属(Titanium)上での分散培養を行い、コーティングによる細胞接着、神経突起伸展状態の違いについて蛍光実態顕微鏡を用いて観察した。Laminin coated上での培養で最も良好な接着、神経突起伸展が見られた。続いて名古屋大学工学部からSiO_2とAuを用いて試作された電極の提供を受け、この電極上にLamininコーティングを施行後、DRG neuronの培養を行った。この電極は神経細胞に電気刺激を与えることが可能であり、結果、DRG neuronが長軸方向に一定の配列となり、電極を超えて軸索が伸長してくる事が確認できた。これは神経回路網形成にとって重要な知見である。また、アルファメッドサイエンス社製でガラスチャンバー上に64個の微小電極がパターニングされているMEDプローブ上でもDRG neuronの培養を行い、電極刺激とneuronの自発活動電位を計測した。微小電極間を神経が架橋してしまう問題があり、プローブ上で細胞接着性の有無を制御することが課題である。
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