2010 Fiscal Year Annual Research Report
サイボーグ技術に不可欠な埋植型低インピーダンス神経用電極の開発
Project/Area Number |
21890101
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥井 伸幸 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70547554)
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Keywords | 電動義手 / 脱神経筋 / FGF |
Research Abstract |
前年度に名古屋大学工学部からされた電極の提供を受け、この電極上にLamininコーティングを施行後、DRG neuronの培養を行った。この電極は神経細胞に電気刺激を与えることが可能であり、結果、DRG neuronが長軸方向に一定の配列となり、電極を超えて軸索が伸長してくる事が確認できた。その後、微小電極間を神経が架橋してしまう問題があり、プローブ上で細胞接着性の有無を制御することが困難であった。そこで発想の転換であるが、脱神経筋を支配する末梢神経内に神経細胞を移植し、脱神経筋の神経再支配と電気刺激による機能再建を試みた。また、筋芽細胞の増殖や融合、神経細胞の生存や軸索伸長を促進すると考えられているbasic fibroblast growth factor (FGF-2)の追加投与による影響を検討した。実験ではラットの坐骨神経を切離し、両端を結紮した。胎生14日目のラット脊髄神経細胞を切断した脛骨神経内に移植して電気生理学的、組織化学的にcontrol(培地投与)群と比較検討を行った。加えて、神経細胞移植と同時にFGF-2を腓腹筋内に投与し、control(生食投与)群と比較検討を行った。結果、10週間後、脛骨神経内でmotoneuronは生存し、軸索を伸ばすことで筋神経接合部を形成していることを確認した。また、移植神経細胞の電気刺激により腓腹筋が収縮し、足関節の底屈が可能であった。toluidine blue染色にて軸索の髄鞘形成を確認できた。また、神経細胞移植と同時にFGF-2を投与した群では、生食投与群に比べ、筋湿重量は優位に大きかったが、筋線維横断面積、運動神軽伝導速度や振幅には優位な差を認めなかった。
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