2009 Fiscal Year Annual Research Report
CD109を応用した口腔扁平上皮癌早期発見のための新規診断マーカーの探究
Project/Area Number |
21890103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
萩原 純孝 Nagoya University, 医学部附属病院, 医員 (40547551)
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Keywords | CD109 / TGF-βシグナル / 細胞増殖 / 扁平上皮癌 |
Research Abstract |
1.CD109高発現株の樹立とその形質についての検討 FLAG付加型ヒトCD109遺伝子をHEK293細胞に導入して高発現株をコントロール株とともに樹立した。細胞増殖能をWST-1法にて評価したところ細胞増殖はCD109高発現293細胞において有意に亢進していた。浸潤能については再現性もって有意な相違を示すことができなかった。 2.CD109相互作用タンパク質の同定 樹立したCD109高発現株から細胞溶解液を精製し、抗FLAG抗体を用いた免疫沈降法を行った。免疫沈降産物をアクリルアミドゲル電気泳動で分離後、銀染色を行ったところ80kDa以上の高分子領域に共沈タンパク質と思われる複数のバンドを確認した。トリプシン消化法でLC/MS質量分析を行ったが有力なペプチドを同定することができなかった。肺扁平上皮癌細胞株SK-MES-1で同様の実験を行ったところTGF-β前駆タンパクであるLTBP-1が同定された。 3.CD109高発現が及ぼす遺伝子発現変化の検討 293-CD109高発現株およびコントロール株からメッセンジャーRNAを抽出した。当初は同検体をDNAマイクロアレイ解析へ外注予定であったが、金銭的な理由から来年度へ先送りすることとした。 4.シグナル伝達変化の検討 樹立したCD109高発現株およびコントロール株をTGF-β1で刺激し、下流分子Smadのリン酸化をウェスタンブロッティングで評価したところ、CD109の高発現がSmadのリン酸化を有意に減弱させ、さらに下流のP21の産生誘導まで抑制していることが分かった。細胞増殖が亢進することを裏付ける結果が得られた。同様にEGFの刺激実験を行ったが、下流分子(AKT/MAPK)のシグナルに明らかな変化は認められなかった。
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