2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本人中年男性における赤血球膜脂肪酸組成と潜在性動脈硬化症に関する疫学研究
Project/Area Number |
21890108
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
門田 文 滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (60546068)
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Keywords | 脂質代謝 / 潜在性動脈 / 循環器疫学 |
Research Abstract |
本研究課題では魚介類に含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸の動脈硬化抑制作用を明らかにするため、より長期的なn-3系多価不飽和脂肪酸摂取量を反映する生化学的指標、赤血球膜脂肪酸組成により動脈硬化症との関連を検討する。我々は平成13年度から平成16年度に基盤研究(A)(研究代表上島弘嗣)において40歳代の日本人男性地域住民300人を対象として潜在性動脈硬化症の疫学調査を行った。そして平成20年度より先の調査参加者を対象に潜在性動脈硬化症進展度を明らかにするための追跡調査ERAJUMP 2を行っている。本申請課題ではこの追跡調査ERAJUMP 2の参加者を対象にして、赤血球膜脂肪酸組成と潜在性動脈硬化症の関連を明らかにするものである。平成20年度より開始した動脈硬化度追跡調査ERAJUMP 2は平成22年度内に合計260症例の調査を終了した。採取し凍結・保存した検体を米国に輸送し、赤血球膜脂肪酸組成測定を行った。赤血球膜脂肪酸組成の測定結果にERAJUMP 2で収集した潜在性動脈硬化度や血圧、身体計測、一般血液化学検査結果を統合し、本申請課題で用いる解析用データセットを確定した。赤血球膜脂肪酸組成の標準偏差の値は血清の値と比較して小さく、より安定した状態を反映している可能性が示唆された。日本人中年男性においては、赤血球膜のn-3系多価不飽和脂肪酸は冠動脈石灰化と明らかな関連を認めなかった。今後、対象者の年齢層を広げて再度検討する必要がある。今後、頸動脈硬化症の評価ができ次第、赤血球膜脂肪酸組成との関連を検討することとする。
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Research Products
(1 results)