2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞特異的ターゲッティングHDAdを用いた神経因性疼痛への遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
21890109
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
寺島 智也 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40378485)
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Keywords | 脳・神経 / バイオテクノロジー / 再生医学 / 遺伝子 / ウイルス |
Research Abstract |
本研究は、ベイラー医科大学にて私自身が開発に成功した組織特異的ターゲッティングヘルパー依存型アデノウイルスベクター(HDAd)システムを当該施設にて立ち上げ、神経因性疼痛への遺伝子治療を行うことを目的とする。本年度は、まず、前年度に得た治療遺伝子であるGAD遺伝子のcDNAのうち、PCRにて増幅ミスのないロットを選別し、選別したクローンを哺乳類全般で発現するプロモーター(EF-1)をもつベクターへ挿入、その後、プロモーター+GAD遺伝子をHDAdへのベクター(pdelta28(28kbp))への遺伝子挿入を完了した。遺伝子発現を組織で確認可能とするため、プロモーター+GADに加え、プロモーター+GAD+dsRed(赤色蛍光)のベクターも作成した。これで前年度作成のプロモーター+TNFalpha-siRNA(3種類)と併せて発現ベクターがすべてそろった。その後、以前に準備して液体窒素下で保存しておいた293ファイバー細胞(ベイラー医科大学より譲渡)の培養を開始し、現在安定した細胞ラインを調整、維持している。これで前年度に調整した野生型および後根神経節標的型のヘルパーウイルス(ターゲッティングベクター作成に必須)と今回作成したGADおよびTNFalpha-siRNA発現ベクター(合計5種類)を組み合わせ、計10種類の遺伝子治療ウイルス(組織特異的HDAd)の作成が可能となり、現在、ウイルス作成に取り掛かっており、動物投与のため大量調整中である。前年度にGAD cDNA調整に時間がかかったため、当初の予定より遅れているが、近近、動物に投与できる段階まで至っている。
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